石井建設について
石井建設の歩み
現場が好きで地場大手「星屋」に入社
私(石井靖久)は帯広出身で、高校卒業後に獣医を目指し札幌に行きました。ところが大通公園でイルミネーション設営のアルバイトをしていたときに、たくさんの人と連携して一つのものを作り上げていくという現場の面白さ、達成感を知り、大工という仕事に興味を持ちました。
その後家づくりを学ぼうと建築系の大学に進学しました。建築デザインの基礎を学び、大学を卒業。本当は大工として現場で家を作りたかったのですが、大卒は現場監督になるというのが一般的なので、帯広に戻り地元ハウスメーカー「星屋株式会社」に現場監督見習いとして入社しました。
現場監督を辞めて大工見習いに
現場監督として仕事を学びながらも、休日は、大工さんにお願いして現場で見習いとして1年くらい無休で働かせてもらいました。でも、そうなるとますます大工という仕事の魅力を感じて、休日だけの見習いでは満足できなくなりました。そこで星屋洋樹社長に「大工になりたい」と相談したら、親身になって対応してくれて、良い大工さんを紹介してくれました。星屋は退職し、大工の弟子に入りました。
9年間の大工経験
以来7年間親方からマンツーマンで在来工法と2×4工法の両方の指導を受け、大工の腕を鍛えました。親方は木材の目利きと、木材の裏や表を見分けて適材適所で施工することなどを大切にする方でした。例えば柱が将来どっちに反るか、荷重が掛かるかを判断して施工することなどです。そして綺麗な施工、施工の速さなども厳しく指導されました。大工時代に2級建築士も取得しました。そしてその後2年、お礼奉公で働きました。
ツーバイフォー(2×4)の本場カナダで修行
大工修行中に秘かに決めていたことがありました。年季明けしたらツーバイフォー(2×4)工法の本場カナダか、在来工法の本場、京都に宮大工の修行に行き、より高いレベルで学ぶつもりだったのです。宮大工の技術も学びたいと思いましたが最終的に選んだのはツーバイフォー(2×4)でした。十勝は地元の住宅会社や大工さんたちが長年、研究や実践を重ねて、木造戸建て住宅の6~7割がツーバイフォー(2×4)工法になったという日本国内でも特にツーバイフォー(2×4)工法が盛んな地域です。私もツーバイフォー(2×4)工法を選びました。
むしろ十勝のツーバイフォー大工の技量を再認識
十勝・帯広の住宅構法として主流となっているツーバイフォー(2×4)は、元々日本の技術ではありません。「本場の技術を学びたい」と思い、カナダに向かいました。ビジネスカレッジに通いながら、週末に無休で大工工事に加わりました。2年半のカナダ修行の中で、施工技術や、木材の輸出入を行うFITT、材料の目利きを行うlamber gradingなどの資格も取得しました。またカナダの住宅建設現場では、合理的な施工技術も学ぶことができました。その一方で、十勝のツーバイフォー建築の大工の方が、施工精度や現場の綺麗さ、木材の特性を活かした家づくり、耐震性能への配慮など、個別の技量や丁寧な仕事という意味で、本場のカナダ以上に優れている部分も多いということも実感しました。
帰国後、基礎工事なども学ぶ
カナダでは、2×4で大規模木造建築も作るし、デザインなどでみるべきものもありました。2年半、カナダで2×4の家づくりを経験しました。帰国後、十勝に戻って住宅会社で1年働き、基礎工事など、今まで経験の無かった工事のノウハウも身につけました。そしていよいよ石井建設の創業に向けて動き出しました。
2005年に石井建設を創業
私が工務店として独立起業しようと思ったのは、注文住宅を設計、基礎工事から大工工事など全部を自分でやりたいという思いがあったからです。そのために家づくりの根幹である大工などの経験を積んできました。こうした修行期間を経て2005年に独立し石井建設を創業しました。
1年目は星屋さんからのモデルハウス建設の大工工事をいただいて、2年目は、趣味でつながった友人から新築の仕事をいただきました。また、私の父から実家の建て替えの仕事を請け負って2×6で建てる仕事もやりました。自分が生まれ育った家の建て替えですから私も思い入れがありました。父と話しながらも、ほぼ私の思い通りのデザインで建てさせて貰いました。室内の高さを確保出来るハイスタッドの家づくりは、今では多くの家で導入していますが、第1号は実家の建て替えで試して良い感触だったのがきっかけです。
大工経験は今に活きる
家を作るにあたって、現場監督や設計者など、大工や専門職以外にもさまざまな人が関わっています。でも大工が関わっている部分は家づくりにおいて非常に多く、現場監督や設計者がいくら目を光らせても、もし大工が手を抜く大工であれば、手抜きは間違いなくできます。私は大工時代の9年間、大工として家づくりを行ってきました。今、私は工務店経営をしていますが、その当時の大工経験が現場の大工さんや専門職との連携の基礎にあります。信頼できる腕に良い大工さんや専門職との連携が、質の高い家づくりを進める上で非常に役立っていると感じます。長年連携している専門職の職人さんたちは、私より年下の人が多くて、そういう意味でも今後も連携していけると思っています。
年間3棟の家づくり
その後はありがたいことに、紹介や口コミで途切れること無く、注文住宅のお仕事をいただき、13年目を迎える2018年も家づくりを続けさせて頂いております。当初は年間6棟もの住宅を建てた年もありましたが、あくまで自分が主体的に関わる家づくりを重視しているので、年間6棟も受注すると寝る間もないほどの激務になってしまいます。そこでここ数年は、1棟1棟を最大限丁寧に家づくりをお引き受けすることを優先し、年間3棟を上限に家づくりをさせていたただいております。
石井建設 大工さん紹介
石井建設の家づくりを支えている大工さんたちをご紹介します。
西保進也 1977年生まれ 帯広市出身
私は父は職人、祖父も大工でした。高校卒業して帯広のツーバイフォーの工務店に入社しました。大工出身の社長で断熱気密施工も厳しく進める大工出身の社長の元で15年働きました。2015年頃に他の大工さんの紹介で石井建設の現場に入るようになって、以降ずっと石井建設の現場で働いています。石井社長は大工出身なので、大工の私たちが困っていることなども相談できるので働きやすいと思います。住宅性能や品質も重視した家づくりなのでやりがいもあります。
石井建設の現場は、お客様の要望に応じた珍しいチャレンジができるのが面白いですね。大工の世界も昔とだいぶ変わって、仕事は8時~18時くらい。残業はほとんどなく、日曜日もしっかり休めます。大工歴は約26年。冬の寒さは平気ですが、夏は熱中症に気を付けて頑張ろうと思っています。石井社長は真面目でお客さんに対して誠実。要望を叶えようと努力するので、面白い家づくりになり、結果、仕事が面白いと感じます。
辻基康 1973年生まれ 広尾町出身
私は広尾町出身で、特に将来の夢とかはなかったので、とりあえず技専(帯広高等技術専門学院)の建築科に通い、ノミ研ぎから始まる住宅建設の基礎を学びました。現場実習で御世話になった帯広の工務店に入社し2年、その後、帯広の別の工務店に移りました。住宅性能もしっかりしていて、社長もいい人でしたので6年働きました。そこで大工仕事を覚えて29歳で独立しました。
フリーの大工になるといろいろなハウスメーカーや工務店の現場に入ります。仕事をこなした分だけ収入も増えるのがフリーの魅力です。大工仲間から、石井建設を紹介されたのが2019年頃。いろんな住宅会社の大工工事をやってきた中で、石井建設の現場はなんといったらいいのか・・・「めんどくさいけど面白い」と感じました。
お客さんの要望を石井社長はできる限り答えようとする。テレビボードや収納など、木を使った造作などはかなりたくさん採用になります。お客様の要望はほとんど全て叶えようとするので、なかなかの難題もあります。先日も「回転ドア」が欲しいというご要望があって大変悩みました。でもそういう大変なリクエストをやるのが面白いんだと思います。
ハウスメーカーの家づくりの場合は、着工して大工さんが現場に入る日には、細かな仕様はもう決定しています。でも石井建設の現場は、着工後にお客様と石井社長、そして大工さんや職人さんが現場に集まって、現場でどこに、どの高さで棚を付けるか、といった打合せをします。図面上で全て決めるより、現場で打合せをしたほうがお客様もイメージがわきやすいので、喜んでもらえます。
フリーの大工をしていたので住宅会社によって、施工品質の違いがかなり違うことは知っています。よその大工さんが建てた現場に、改修などで入ったら、きちんとした施工がされていなくて驚くこともあります。家づくりは、どの住宅会社、どんな大工が建てたかで性能も耐久性もかなり変わってきます。石井建設は、大工出身の社長なので施工はしっかりチェックしますし、完成後に気密測定も行うので気を抜けません。